2011年3月31日木曜日

栗田智仁のすいかの知識

栗田智仁のすいかの知識かつては夏になるとすいかをまるごと買ってきて、一家で取り合うようにかぶりついたものです。でも今ではそんな光景はめったに見られなくなりました。 核家族化が進んだため、まるごと1個も食べられない。大きすぎて冷蔵庫に入らない。種があって面倒だ。食べた後、皮が大きな生ゴミになる。 こうした理由で、だんだん消費は減りつつあります。でも、もう一度考え直してみましょう。スイカは夏の風物詩。なんといっても夏果実の王様格です。最近、スイカにだっていろいろな栄養・効用があることがわかってきました。スイカを食べて、古き良き日本の夏を取り戻しましょう! スイカの来歴南アフリカ原産。すでに2500万年前にスイカの野生種が存在していたと考えられています。栽培の歴史としては、紀元前数千年の昔からエジプト、インド、ギリシャなど古代文明において栽培が始まり、世界中に広まっていったとされています。地中海での栽培が盛んになった頃に果物として広く食されるようになり、そこからインド、中央アジア、東南アジアへと伝播していきました。日本への導入は、「①平安時代に中国から説」、「②16世紀にポルトガル人から説」、「③17世紀にポルトガル人から説」、「④17世紀に中国から説」などいろいろ説があり、定かではありません。いずれにせよ、日本からみて西の方向から伝わってきたものであり、「西瓜(すいか)」という名の由来になっています。当時のスイカは皮が黒く、果肉が紅色だったそうです。産地スイカといえば夏の風物詩。ですが、最近はハウス栽培技術の発達によってほとんど1年中食べられるようになりました。金沢市中央卸売市場では、10月末から翌年の6月いっぱいまでの長期にわたり、高知産の西瓜が入荷されます。また、春先からは熊本産が中心に。その後千葉産、茨城産が続きます。そして6月からはいよいよ地物・石川県産が始まります。金沢産は毎年、ハウス物で6月中旬に出荷がスタートし、6月下旬にピークとなります。露地は7月上旬から始まり、7月中・下旬がピークとなります。金沢産にバトンタッチするように、7月下旬からは能登産が始まります。志賀町を中心に露地栽培で8月下旬まで続きます。選び方八百屋さんがスイカに耳を近づけ、ポンポンと叩いているのを見たことがないでしょうか?あれはべつに、太鼓代わりにして遊んでいるわけではないのです。音の具合でスイカの良し悪しを計っているのです。カットされていないまるごとのスイカを片手に持ち、もう一方の手で軽くたたいてみましょう。「ポンポン」と響くいい音がしたら・・・それは食べ頃のスイカです。「ペンペン」とか「ボテボテ」と鈍い音がしたら・・・・熟れすぎて(あるいは落としたりして)中の実が崩れてしまっています。「ピンピン」と高い音がしたら・・・まだ若いスイカです。 また、外見での判断ですが、縞が太くつやが良いものを選ぶとよいでしょう。ただし、甘さに関しては実際に食べてみないとわかりません。お店の「糖度表示」を参考にしたり、店員さんに聞いてみるなどしたほうがよいでしょう。保存法最近はカット売りが主流になってきました。カットされている場合は、ラップして冷蔵庫へ。でも、あまり冷やしすぎると低温障害をおこしますから、買ったその日に食べてしまうのが賢明です。まるごとならば冷蔵庫に入れずに涼しい場所で保存しましょう。栄養価スイカは水分ばっかりで栄養価はほとんどないと思われがちですが、意外に効用の多い健康フルーツなのです。 ①疲労回復スイカにはたくさんのミネラルが含まれています。その中でも特にカリウムが豊富。カリウムは疲労した筋肉を素早く回復させる働きがあります。 ②むくみが取れるシトルリンというアミノ酸は、尿成分を作るのに役立ちます。スイカを食べると利尿作用が高まり、体のむくみが取れるという効果があります。 ③熱をさます夏場にスイカをかぶかぶ食べるのは、水分補給のためだけではありません。スイカには体温を下げるという効能があるので、氷水を飲むよりもずっと“涼しい”気分を味わえるのです。体のほてりをさますにはスイカが最適です。また、高血圧を抑制するのにも効果的です。食べ方スイカは真ん中が一番甘く、次に下(お尻)の部分、その次が横、最後に上(つる)の部分の順番になります。カット済みではなく、まるごとのスイカを切って食べるときには、まずふきんをかけ、水道の水をかけ続けて温度が15~20度になってから食べると本来の味が楽しめます。冷蔵庫で冷やしすぎると風味を損ないます。スイカの切り方 ①縞をはずして上から下へ半分に切ります。なぜ縞をはずすのでしょう。実は縞の延長下に種が多くあり、縞の上から切ると包丁に種がぶつかる確率が高いのです。ですから、縞をはずして切った方が、種が切り口に現れずきれいに切れるというわけ。 ②さらに上から下に切り、4分の1カットに。この時も、中心線から外してやや斜めに切ると種にぶつからず、切り口も大きく見せられます。 ③さらにみんなで分けて食べるときは、中心点から放射状に切り分けます。こうすることでどれも同じような甘さになります。栽培スイカの成長過程では、昼と夜の温度差がとても重要な意味を持ちます。これはくだもの全般にあてはまることですが、昼夜の温度差が大きいことが、甘さを高める上でとても大事なのです。今日までの気候を思い出してみましょう。昼と夜の温度差が激しい日が多かったなら、今年のスイカは“買い”です。

2011年3月30日水曜日

栗田智仁のすいかの効能

栗田智仁のすいかの効能  すいかは、漢字で西瓜と書きますが、これは中国に伝えられたままの名前を用いたもの。原産地はアフリカで、中国へは西から渡ってきたことになり、ウリ科の果物でしたから、この名前がつけられたわけです。日本には平安時代にすでに入っていましたが、16世紀の終りに再度オランダ人によって伝えられたそうです。  すいかの薬効は、利尿作用にあります。アミノ酸の一種であるシトルリンが含まれており、これが利尿作用に働くため、昔から腎臓病の妙薬といわれ、腎臓だけではなく、心臓病、高血圧などにも用いられてきました。また、中国では暑気あたりや糖尿病に用いる漢方の〝白虎湯″と同じ働きをするといわれ、すいかを別名〝天然の白虎湯″とも呼んでいるそうです。  それに、思いのほか栄養的にもバランスのいい食べ物です。水分のほか、ビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、カリウム、リン、鉄分、アミノ酸が含まれています。ただ、胃腸の弱い人や冷え性の人は食べすぎないように。かえって逆効果になります。 すいか糖の万能薬的効果  音、すいかのとれない季節に、腎臓病の人の妙薬として作り出されたのがすいか糖です。心臓病、高血圧、妊娠、その他水分のとりすぎによるむくみなどに、また、風邪でのどが痛い、たんがからむときなどにも有効です。少し面倒なのですが、すいかが出回る季節に、すいか糖を作っておいてはいかが。  すいか2~3個の果肉をしぼり、そのしぼり汁を鍋に入れて、中火で気長に、こびりつかないようにしゃもじでかき混ぜながら煮つめます。 5~6時間かけて珊ccくらいまでにし、汁にとろみがつき水あめ状になったらさらに煮つめ、どろどろ状で出来上りです。瓶に移して保存します。  特に種も一緒に煮るとより効果があります。煮っめて、果汁が猶のところで種を取り出し、さらに煮つめるのです。種には、止血、痛み止めの薬効があります。飲むときは10ccをお湯に溶いて。 熟、せきにはしぼり汁  すいか宛の果肉をしぼり、そのしぼり汁を飲みます。少し冷やしておくと効き目がよりアップします。うわごとを言うような熱のときもしぼり汁で熱が下がり、せきや舌のかさかさもよくなってきます。 口内炎にもしぼり汁  ヒリヒリ痛みを伴う口内炎にもしぼり汁です。すいかを少ししぼり、その汁を口に含み、しばらくして吐き出します。数回くり返すといたみが治まってきます。 すいかの皮で、肌のマッサージ  皮をちょっと水で洗い、小さく切り、それで顔、手、ひじ、ひざ、かかとなどをマッサージする要領でこするのです。あとは水で流します。肌荒れもなくなり、つるつるになってきます。 日焼けにすいかバック  食べ終わったすいかの皮を洗って冷蔵庫で冷やし、それをほてった肌にはります。冷たくした皮が熱を奪いますから、ほてりは治まってきます。乾いたら取り替えて、早めに熱を除きます。日焼けは一種のやけどですから、ひどくならないようにあとの始末をきちんとしておきます。 すいかの漬物  皮を洗って漬物にします。ぬかでも、塩漬けでも。皮の部分には、コレステロールを少なくする、血管拡張をするなどの作用を持つ成分が含まれています。外側の緑部分は取り除いて、白い部分だけにし、バナナくらいの大きさに切って漬けます。 2~3日でおいしく漬かります。 すいかの種をだしの素に  すいかの種も利用を。種を集めて洗い、フライパンで軽くいり、乾かします。これを袋に入れ、沸騰したお湯に1~2分、一煮えしたら引き上げます。これでおいしいだしの出来上り。だしをきらしたときは、こんな利用法も試してみては。

2011年3月29日火曜日

栗田智仁のスイカの覚えておきたいマメ知識

栗田智仁のスイカの覚えておきたいマメ知識スイカは90%近く水分を含み、英語では「ウォーターメロン」と言われています。実際、日本でも江戸時代にスイカのことを「水瓜」と当て字で書いたようです。現在「西瓜」と書きますが、これは唐の時代に中国の西域から全域に伝わったことから付けられた名前で、西瓜(シィグァ)と言い、そのまま日本でスイカと言うようになりました。この時代のスイカは今のように甘くなく、砂糖をかけて食されていたようです。日本に伝えられたのは平安時代に中国からと言う説や、天正の時代にポルトガル人がカボチャ(南瓜)と共に長崎に種子を持ち込んだなど、様々な説があります。スイカとカボチャが同じ時期に日本に伝わっていたかもしれないなんて、面白いですね。 スイカは昔から腎臓病の妙薬として使われてきました。また体内の水分を排泄する働きがあるので、体にむくみがある人には絶大な効果があります。すいかの果肉の90%以上が水分なので、暑い夏、体のホテリを冷まし、涼を呼び、爽快感を与えてくれます。西瓜の選別法は、指で軽く弾くと、「ポンポン」と澄んだ音がします。これが良いすいかで、熟しきってしまっている西瓜は「ボテボテ」とした鈍い音がします(西瓜の中がタナ落ちして、空洞が広がっているため)。若過ぎる西瓜は「ピンピン」とした感じの高い音になります。種は表皮の縞模様のところに種が散らばっているので 縞目を避けて斜めに切りましょう。

2011年3月28日月曜日

栗田智仁のスイカの栽培

栗田智仁のスイカの栽培 初心者は、種からではなく、苗を購入してチャレンジしてみましょう。 植え付け時期は4月~5月です。植え付けた苗の周りにドーム型に心棒を刺し、上からビニールをかけてドームハウスにして覆います。気温のあがる日中には、ビニールをあげて風を通すようにします。 5月に入ることには植え付けた苗もしっかりと根を張り、大きく成長してきます。植え付けをして1ヶ月ほど過ぎたら、ビニールをはずします。実をつけてきたら、形の悪いものや育ちの悪い実は、甘いスイカを作るために淘汰していきます。もったいないですが、思い切って捨てましょう。植え付けから3ヶ月もすると、大きな実をつけたスイカが収穫期を迎えます。 収穫が早すぎると中の実が白いままですので注意します。こうして植え付けから収穫まで、大体3ヶ月ほどで収穫にこぎつけます。 家庭菜園で栽培しやすいのは、紅小玉やサマーキッズなどのような小玉スイカでしょう。畑ではなく、庭でも育てられるのが人気の秘密のようです。 大玉スイカの場合は、縞王や天竜2号がオススメです。 家庭菜園でのスイカ栽培での一番のネックは、スイカが大きく実を結ぶかどうかですね。そのためには良い土と、たくさんの太陽の光、受粉のタイミングが大切です。 土作り家庭菜園をするには、スイカに限らず土が大事です。 苗を植える前に、土作りを始めましょう。先に草肥を埋めておいた土に、堆肥等をたっぷりと混ぜておきましょう。春になったら行い、少なくとも苗を植える2週間前までには土作りを完了しておきます。 植え付け苗はホームセンターなどではなく、苗の専門店で購入しましょう。 準備していた畑に畝を作り、苗を1メートル間隔で植えて行き、たっぷりと水をかけましょう。植え付けをしたら、地温を抑制して雑草を防ぐために、黒マルチと呼ばれる黒いマルチフィルムで苗を覆います。 もちろんスッポリかぶせるのではなく、黒マルチに穴を開けて、そこから苗が出るようにします。できればビニールテントを作って、日中はビニールをあげて風を通し、夜はビニールをかぶせるようにしましょう。 つるの剪定苗が成長してつるが伸びてきたら、ここからが肝心なところです。 つるが伸びたら、3~4本だけを残して、もったいないですが、他のつるは切ってしまいます。スイカは本つるではなく孫つるにできますので、おいしいスイカができるかどうかはこの作業で決まります。 一番最初に実をつけたものは取り除きます。スイカとしては実になりません。 受粉スイカの花が開いているのは、朝早くからお昼頃までです。 この短い間に受粉しなければいけません。 普通は人口受精をする必要はないのですが、確実に実をつけるためには、朝の9時頃に雄花の花粉を雌花のめしべにつけてあげましょう。 ポイントとしては、5節以上、18節くらいまでについた花に実をつけさせるのがベストなので、その先に伸びたつるは切り落としても問題ありません。 実がついたらつるに実がついたら、株の周辺に油かすや米ぬかをまき、水をあげましょう。 甘いスイカにするためには、少し水が足りないくらいが丁度いいです。 1株に2~3個以上実をつけると良いスイカができませんので、バランスを考えて取り除きます。この頃には覆っていたビニールテントをはずします。できれば、黒マルチの上にワラや枯れ草を敷き詰めましょう。 玉の回転スイカの玉が握り拳くらいになったら、つるを上にして置き、10~14日に一度、横に向けたり反対にしたりして、まんべんなく太陽にあたるようにします。最終的にはつるの部分が上にくるようにします。こうすることで、下の光の当たりづらいところもきちんと色づくようにします。この作業を「玉直し」といいます。 収穫花が咲いて受粉してから、約50日前後で収穫時期を迎えます。 外観がしっかりしていても、収穫が早すぎると中がまだ白いことがありますので注意しましょう。スイカを収穫して2~3日後が甘くておいしく食べられるときです。 自分で作ったスイカの味は格別なものでしょう。おいしくできましたか?

2011年3月25日金曜日

栗田智仁のスイカと健康

栗田智仁のスイカと健康

スイカの利尿作用を利用して、水太り解消としてむくみをとり、ダイエットのサプリメントとして販売されています。
実際スイカはカロリーも低く、食間に食べるだけで、食事の量が減らすことができます。

スイカの水分と糖分が満腹感を覚えさせてくれるので、自然と食事の量が減るのです。
スイカを食べるのも次第に飽きてしまいますので、スイカゼリーなどを作って食べるのもいいですね。
何度も言いますが、体を冷やしますので、食べ過ぎると胃や腸が痙攣することもありますので、食べ過ぎに注意しましょう。


スイカに含まれる糖分には利尿作用があり、むくみに効果的です。

スイカ糖を販売している業者もありますが、自分で作ることもできます。
保存も長期間可能ですので、自分で作ってみてはいかがでしょうか。


作り方
1.熟したスイカの果肉をできるだけ小さくきって鍋に入れてとろ火で煮る。

2.漉して果肉のカスを取り除く。

3.更に鍋に戻して水飴状になるまで煮詰める(色が黒っぽくなります)
4.密閉容器に移す。
2年から3年、保存がききます。


種にも健康効果があるのがお分かりになったところで、スイカの種のお茶の入れ方を紹介します。
スイカの種50gを乾燥させ、フライパンでから煎りしましょう。

炒った種に200mlのお湯を注いでできあがりです。
お好みで蜂蜜を入れてもおいしくいただけます。
この他にも、お茶にしないで、炒った種の皮を剥いてそのまま食べてもかまいません。
ポリフェノールもたっぷり含まれています。


小さい頃、スイカの種を飲むと盲腸になると、本気で信じていました。

従兄弟が盲腸になってお見舞いに行ったとき、スイカの種を食べたからだと言うのを本気で信じていたのです。
もちろん本人も本気でしたが、たまたまスイカの種を飲んでしまったのと、盲腸になったタイミングが合ってしまっただけのことでしょう。
スイカの種を飲んだからといって、盲腸になるというのは迷信です。

スイカの種では、この従兄弟の盲腸よりも衝撃的な出来事がありました。
盲腸の従兄弟の弟のことです。
母親が何やら息子の顔に近づくと異臭がするのに気づきました。
どうやら鼻から臭ってきているようです。
すぐさま耳鼻科に連れて行ったのですが、鼻から出てきたのは、発芽したスイカの種でした。

どうやら、いたずらしていて入れてしまったようなのですが、取り出せなくなり、叱られると思って黙っていたようです。
そのうち異臭を放ちながら発芽した状態で鼻から出てくることになるのです。
盲腸の件よりも衝撃的でした。

2011年3月24日木曜日

栗田智仁のスイカいろいろ知識

栗田智仁のスイカのマメ知識


由来と栽培の変遷

 原産地は南アフリカのカラハリ砂漠とする説が最も有力で、4000年まえにはすでにエジプトで栽培され、種を食料に、砂漠地帯では水代わりの飲料として珍重されました。
英語では「ウォーターメロン」、江戸時代には「水瓜」とも書かれ、現在では中国で西域から伝わった瓜の意で「西瓜」と書かれるようになりました。

  昭和期戦前から「三河すいか」産地の一つとして、渥美郡高師村(現在の高師・天伯地区)で栽培が盛んになりましたが戦争による食糧難から一時は栽培が禁止されました。
その後食糧事情の回復で再び産地化が進み、豊橋では旧陸軍用地である高師ヶ原を中心に栽培が行われました。

  昭和30年代~40年代にかけてビニールハウス、トンネル、マルチの普及により現在の様な早期収穫の作型が分化しました。
また、接ぎ木技術の導入により、安定した栽培が可能となりました。

  主に一番果のみ収穫する作型で、品質や食味を重視した栽培、選別が行われています。


植物的特長

 スイカの栽培では、芽生えてすぐに茎をカボチャやユウガオの苗に接木をするのが一般的です。
これは、カボチャやユウガオがスイカの病害の蔓割れ病に強い為です。
いわば、地上部だけがスイカで、根はまったく別の植物というわけなのです。


■栄養価

 スイカ果汁の4~6%が糖分で、栄養価としてはビタミンA(カロテン)、B1、B2、Cのほか、カルシウム、リン、鉄、カリウム等のミネラル類、グルタミン酸やアルギニン酸など、多くの成分をバランス良く含んでいます。
果糖やブドウ糖はエネルギー転換が速やかなので、夏の暑さで疲れた身体を癒すにはピッタリといえます。


スイカの模様はいつできる?

 スイカの縞模様は、じつは小さい実の時からあります。
縞模様は最初は薄く、大きく成長するにつれて、だんだん濃くなってきます。
黄玉スイカと赤玉スイカの見分け方も、縞模様にあり。
縞が太い方が黄玉、細い方が赤玉です。


■種なしスイカを見ない理由

 植物性ホルモンを使って、日本で品質のよい種なしスイカの誕生に成功したのは、戦後まもない昭和22年のこと。
とはいえ、栽培に手間がかかり、「種がないとスイカを食べた気がしない」という消費者の心理も大勢を占め、種なしのスイカは普及していなかったのです。
しかし近年、顧客のニーズも変わり、H16年には少量だが種なしのスイカが出荷されています。


■種だけを食べる国もある

 日本ではスイカの種を食べる習慣はありませんが、世界的にみれば、これはむしろ不思議なことで、古代エジプトでのスイカ栽培も、むしろ種を食べるためだったという説があるほどです。
スイカの種にはリノール酸やタンパク質、ビタミンBやEが豊富に含まれていて、栄養たっぷりなのです。
(びっくり!)お隣の中国でもスイカの種は菓子として珍重され、わざわざ種の大きい品種が作られているほどです。


■保存方法

 カットしたものは、鮮度が落ちやすいので、購入後はなるべく早く召し上がって下さい。
やむなく保存する場合は冷蔵庫へ入れて保存して下さい。

2011年3月23日水曜日

栗田智仁のスイカの品種

栗田智仁のスイカの品種

<品種>
 果形、大きさ、果皮色、縞の有無、果肉色が多様であります。

 現在、市場で流通している主要品種は、縞王マックス、ファィンエース、甘泉、富士光、日章、天竜2号、紅大、ハニーシャルマン、夏玉マイルド、金時、紅小玉、黄小玉、ポニー(ラグビーボール型)など。

◆ 大玉スイカ
 日本のスイカの主流。
果重が5~7㎏で、豊円からやや長めの球形。

 淡緑の地に濃緑の縞があり、果肉の色は桃色から赤色。
肉質にシャリ 感(歯ざわり)があり、甘みに富み、種は小さく少ない。

※ 黄皮スイカ…果皮は黄色で、果肉は赤色の太陽スイカ。
果肉も黄色の 三河黄色。

※ 緑皮スイカ…果皮は淡緑で果肉が黄色の大和クリームなど。

※ 黒皮スイカ…果皮は黒く、果重は6kg前後で、果肉は赤色のブラック ボール。
また、果重は4㎏程度で、偏円形で果肉が黄色のスイカもあり ます。

※ 黒部スイカ…明治末期にアメリカから富山県に導入されたラットルスネークの馴化(じゅんか)系である。
果重は15~20㎏にも及び俵形 の極大果で、果肉色は桃色、肉質はかたく、糖度はあまり高くない。
味はやや淡白。
果皮は淡緑色に、太い縞が入る。

 富山県の特産品として有名である.日持ちが良く輸送にも耐える。
主 として贈答用に使われています。

◆ 小玉スイカ
 大玉スイカと同じく、淡緑色に縞皮と果形も変わらないが、果重は、 1~2kgで、冷蔵庫に丸のまま入るのがセールポイント。

 肉質は大玉よりざらつくが、甘みに富む。
果肉の色は赤系だけでなく、黄系も多い。
果形も豊円形からラグビーボール形などあり、小玉スイカは果皮が薄くぎりぎりまで食べられるが、割れやすいのが欠点である。

◆ 種無しスイカ
 日本で開発された技術で、かなり注目されたが、発芽させるのがむずか しく、果実が変形したり、空洞になりやすいなどの欠点があり、十分な改良が加えられないまま、実用的な意義を失い、現在はあまり栽培されない。

◆ 漬物用スイカ
 和歌山県の特産スイカの源五兵衛の幼果は、粕漬けに用いられる。
生食 用のスイカとは異なり、シトロンウリとよばれる仲間で、成熟しても2㎏ 程度。
球形の縞皮で、果肉は白く硬い。
もっぱら漬物用として加工されています。

◆ 種子用スイカ
 スイカに葉も花も似ているコロシントウリは、スイカと交雑すると稔性がある。
果肉は白く強い苦みがあり食用にはならないが、製薬原料として利用されている。
この種子には苦みはなく食用になる。
中国料理では、種子を乾燥して味付けし、前菜のつまみ菓子として利用する。

◆ 変わりだねスイカ
 毎年マスコミをにぎわす角型スイカは、普通の球形の品種を四角の箱に入れ無理に四角にしたものです。
四角になる分だけ皮が厚くなるので品質は劣る。


<出回り期>
 周年出回っています。
加温・ハウス・トンネル・露地栽培があり、時期を 追うごとに産地は北上してゆき、熊本・鳥取・千葉・茨城・石川・新潟・東 北・北海道産など順に出回ってきます。
冬場には高知・沖縄産が出回る。

 小玉スイカは、4月~7月に長崎・和歌山・静岡・群馬・茨城産など。

 また、石川産は6月~7月に出回ってきます。

2011年3月22日火曜日

栗田智仁のスイカ知識

栗田智仁のスイカ知識

夏場の栄養補給と 夏ばて防止に!!

 夏の味覚を代表するスイカは、夏の風物詩として江戸時代から今日に至って いる。
色鮮やかな切り口は、みずみずしく、すがすがしい香りが涼を運んでくれます。

 名の由来は…中国では西から伝わったので西瓜(シィグァ)と呼んでいた。
それが日本にそのまま伝えられ、転じて〈スイカ〉となったといわれています。

 スイカ栽培の起源は古く、4000年前に古代エジプト人が栽培したことが今日に残っている絵画で立証されています。

 当時は種を食用に供し、また、熱帯の乾燥地で飲料や薬用に供したが、後に地中海地方や東アジアで果実的用途に発達した。

 スイカは原産地の南アフリカから中国(11~12世紀)、ヨーロッパ(16世紀初頭)、アメリカ(17世紀)と伝わっていきました。

 日本へ伝わった時期については諸説があります。
安土桃山時代(1560年代)にポルトガル人が持ち込んだという説。
また、17世紀中期に隠元禅師が中国から持ち帰ったといわれる説があります。

 しかし、鳥羽僧正(1053~1140年)の「鳥獣戯画」にスイカらしい絵が描かれていたり、僧義堂の「空華集」(1359年)にスイカの詩が見られる事から、もっと古い時代に伝わって平安朝後期に作られていたのではという見方もあります。

 江戸時代の「農業全書」(1696年)や本草図鑑(1828年)にスイカの記述があり、天保年間の絵馬にはスイカの切り売りの様子が描かれていますが、無地皮になっています。

 現在のスイカは、緑の地に濃緑の縞模様が一般的ですが、こうした品種が広まったのは、昭和初期以降で、それまでは黒皮、無地皮が一般的でした。
「鉄カブト」とも呼ばれていたそうです。

 江戸時代には果肉が赤いのは気味が悪いとされ、あまり食べられなかったのでは…。

 明治末期になって、多くの品種が導入されたが、アメリカからの導入品種アイスクリームが日本の風土、嗜好に適し、在来種を圧倒、この馴化系およびこれと在来種の雑種系が普及した。
こうした雑種系を整理する為、大正から昭和初期にかけて計画的育種事業が行われ、奈良県で水田地帯向けの大和群、遅れて千葉県で畑作地帯向けの都群の一連の品種が育成されました。

 現在の日本の実用品種(ほとんどが一代雑種、F1)は、多かれ少なかれその流れをくんでいます。

2011年3月4日金曜日

栗田智仁の種はあり?なし?

はい!栗田智仁です。

スイカは種があったほうがいいのでしょうか?
それともないほうがいいのでしょうか?
栗田智仁は、種があったほうがスイカを食べたという感じになりますが、実際には、種がないほうが食べやすいですよね。
でも種がなくなると、子供のころにやった、種飛ばし競争ができなくなるし・・・。
う~ん。難しいところです。

今日もスイカの種についてのお話です。


■種なしスイカを見ない理由
 植物性ホルモンを使って、日本で品質のよい種なしスイカの誕生に成功したのは、戦後まもない昭和22年のこと。とはいえ、栽培に手間がかかり、「種がないとスイカを食べた気がしない」という消費者の心理も大勢を占め、種なしのスイカは普及していなかったのです。しかし近年、顧客のニーズも変わり、H16年には少量だが種なしのスイカが出荷されています。

■種だけを食べる国もある
 日本ではスイカの種を食べる習慣はありませんが、世界的にみれば、これはむしろ不思議なことで、古代エジプトでのスイカ栽培も、むしろ種を食べるためだったという説があるほどです。スイカの種にはリノール酸やタンパク質、ビタミンBやEが豊富に含まれていて、栄養たっぷりなのです。(びっくり!)お隣の中国でもスイカの種は菓子として珍重され、わざわざ種の大きい品種が作られているほどです。

2011年3月3日木曜日

栗田智仁とスイカの効能

こんにちは。栗田智仁です。
スイカの効能について今日はお話します。

スイカの果肉はほとんどが水分でビタミンなどはあまり含まれていませんが、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを体外に排泄する働きがあるので高血圧の予防に効果があるほか、体内の水分量を調節してむくみの解消や腎機能の改善に効果があります。
また尿を作る成分の特殊アミノ酸であるシトルリンを含んでいるため、腎炎や膀胱、尿毒症などにも効果を発揮します。
 スイカには利尿作用のほか体の熱を冷ます作用もあり、日射病や暑気あたりにも有効です。この熱を冷ます作用や利尿作用は、果肉よりも白い皮の方がすぐれています。
さらに皮には血管中のコレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化の予防にも効果的です。
 スイカの果実の赤色はトマトにも含まれている赤色色素のリコピンです。リコピンにはβカロチンの2倍もの抗酸化作用があり、老化やガン予防に効果を発揮します。また老化や生活習慣病の原因となる過酸化脂質の生成を防ぐグルタチオンも豊富に含まれています。


一緒に食べるとよい食材         期待できる効果
バナナ、パイナップル、なし        二日酔いの改善
キーウィフルーツ、柿、レモン、トマト   高血圧の予防、動脈硬化の予防
きゅうり、とうがん、あずき、ブドウ    臓病の予防
梅、メロン、レモン、ココナッツ      日射病、暑気当たりの改善